VRChatパブリックログ

VRChatでの体験を紹介します

プロトアーサーをVRChatから奪還する(完了)

MMDコミュニティとの軋轢の問題

 何度も持ち上がりますね。

VRChatが嫌われている事実は単純に悲しいですが、著作権の問題とは明確に別問題です。その当たりがクリーンにならないかぎりは今後もこのようなことで軋轢を生む事例は増えていくと思います。

根本的問題点

MMDの作者の立場に立って考えてみれば、最大の問題点はVRChatが外部からのアクセスが困難なことにあります。

自分の著作権を侵害するような行為が行われている事実を知ったとしても、VRChatのアカウントを持っていなければそれを確認することはほぼ不可能ですし。仮にアカウントを持っていたとしても、VRChatの構造上確認は大変困難です。

仮にインターネット上ならば違反行為が行われている現場としてURLをおさえればいいですがVRChatではそうはいかないわけです。

ここまで考えればVRChatがやり玉に挙がりやすい理由がはっきりします。

闇雲に目の敵にされているわけではなく、このアクセスの悪さが問題視されているのです。

これに直接的解決策があるかというと、正直ないというのが結論です。

草の根活動的になりますが、現状、違反に当たる行動を一つずつ報告していくことがいちVRChatユーザーとしてできる精一杯の行動になりそうです。

切な顔Pのアバターはどうなっているのか?

 プロトセイバーと聞いてピンと来ました。心当たりがあります。

そう、私が考えたのはAvater World(アバターのレンタル施設)の摘発です。

VRChatユーザーのほとんどはVRC SDK*1を導入していません。これは世界的に見たときの話です。高い割合で導入している日本のユーザーが異常なだけです。大多数の海外のユーザーはアバターアップロードを利用せずにアバターワールドを利用することでアバターを切り替えています。

となれば、このプロトセイバーモデルが著作者の意に反して利用されている案件の大部分は、Avater Worldを違反報告すれば解消されるはずと考えられます。

まず切な顔Pのプロトアーサーのモデルを確認。

www.nicovideo.jp

恐らく間違いありません。Fateアバターワールドでみたことがあります。

さっそく直接確認してみます。

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確認してみたところ、画像では分かりにくいですが、該当3Dモデルであるところのプロトアーサーが消えていました。

これは一安心。

切な顔Pに対する違反報告の際にVRChat運営にも通報した人が居たのでしょう、通報に一定の効果があると見込めるかも知れません。

と、ほっと胸をなで下ろしていたのですが、*2

まさにその瞬間、プロトアーサーのモデルが私の隣を通り過ぎていったんです。

精一杯のカタコトの英語でどこからアバターを手に入れたのか聞いてみましたが通じなかったのか英語話者じゃなかったのか、居なくなってしまいました。

そこで自力で歩き回ってみたところ、見つかりにくい形で隠し部屋への通路が設置されているのを発見しました。

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消された訳ではなかったんですね。

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ご丁寧にもクレジットに記載してくれているので同定の手間も省けました。

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アバターとしての見た目はこのようになっています。

 

助けてGoogle先生

問題が一つ、私の語学力の低さです。VRChat運営に対して正確な状況報告と、要求を伝えることができるか分かりません。

Google翻訳を使って、簡単な文節を意識して文章を作ってみます。

VRChat運営への問い合わせ方法を知らなかったので、VRChatのDiscordを確認してみました。

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Discord上でのそのような報告は受け付けておらず、メールでの問い合わせのみとなっているようです。

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------------------ (以下8月2日追記)------------------

VRChat運営から返信でダメだし(二回)

1時間後、運営からメールが届きました。メールの送信先が誤っていたようです。「feedback@vrchat.net」は総合窓口であり、著作権関係の問い合わせは「copyright@vrchat.com」だそうです。

しかし、このスピード感は好感触です。それも現在10時。アメリカ現地時間を推定すると、あちらは夜です。定時過ぎてませんか?

このときちょっと寝ぼけて居たため、返信内容をよく読まずに同じ文面を「copyright@vrchat.com」に送信してしまいました。

すると2時間後に再び返信が届きました。(日本時間14時)

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定められた書式があったようです。本当は一回目の返信に記載されていたURL「https://vrchat.com/legal」のページを熟読すればよかったのですが、わざわざわかりやすく要点をまとめて返信してくれました。

対応の丁寧さも、スピード感も好感触です。というか、あちらはそろそろ夜中です。いつ寝ているんでしょうか?

すでに作成済みのメールの内容を書式に揃えるのは簡単そうです。ただし要点として、私が切な顔Pに承認された代理人である必要があるようです。

嘘をつくのは最悪偽証罪に問われますので、ここで切な顔Pにコンタクトを取ることにしました。

ツイッター上で切な顔Pへリプライを送る

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( 中略)

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 どうかんがえても暇人な私に対しての嫌味かと思いましたが(ジョークです)、丁寧な回答を頂きました。(ツイートが削除されない限り、リンク先から以降に続く3つのリプライを参照できます。)

正式な代理人としてメール送信

DM上でメールの内容の打ち合わせをし、(本来は必要ありませんが、私も初めての体験だったので相談が必要でした)再度VRChat運営へメールを送信しました。(8月2日9時)

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上の画像が送信したメール内容になります。

お気づきでしょうか。日本語です。

第4項目は誓約文面を丸コピせよという内容なので丸コピしましたが、その他の部分は基本的に日本語で書きました。これでもいけるはずという考えと、一度没になったとしてもどの程度まで内容を詰めれば通るのかの検証をする狙いがありました。

結果的にはこれで通ってしまいました。

該当アバターワールドの消滅を確認

仕事が終わって16時頃、VRChatのサイトにログインして該当アバターワールドを検索しました。午前中に検索したときは表示されていた該当アバターワールドの表示が消えていました。

アバターワールドの作者のほうは検索上では相変わらず表示されていたので、BANまでは行かなかったようです。(ユーザーがBANされたときの表示を知らないのでなんとも言えませんが)著作権侵害は1度目までは「著作権侵害の事実を知らなかった」として罪に問えず、警告を無視したり、繰り返した場合にはじめて悪意を立証できる関係上、仕方の無いことかも知れません。しかし彼はこれでイエローカードです。(プロトアーサーに関して)

はじめて著作権侵害の申し立てをやってみて

VRChat運営の対応はとても速やかで、誠実さを感じました。これが個人に対する申し立ての場合にどう変わってくるかなど未知数な面もまだ残っていますが、良い運営だと思います。

今回は本来ありえない、「VRChatユーザーから提案し、MMD作者に協力を仰ぐ」という形だったため、連絡で手間取る部分はありましたが、正常な手順で物事が進むとすれば、運営へのメールの書式は簡素で、かつ日本語での記述でもよいため、とても楽だと感じました。

今回得られたノウハウは、そのままVRChatユーザーである私の財産になります。私もつたないながらもアバターを自作するので、万が一にも著作権侵害の被害を受ける張本人になる可能性があります。また、私の友人が困っているときも、手助けができそうです。

もちろんMMD作者の方にとっても、興味深いモデルケースになったのではないでしょうか。VRChatユーザーの友人(あるいは知人ずて、公募など)が居ればその方に協力を仰いでみるととてもスムーズに事が運びそうです。

 

8月5日追記

今回のケースで得られたノウハウを、この記事のようなストーリー仕立てでは無く要点をまとめた記事としてまとめました。

 

*1:アバターアップローダ

*2:個人アップロードの問題は別に存在しますが