【VRChat紹介#3】VRChatの人々
さまざまなプレイスタイル
VRChatには色んな人が来ていて、ひとりひとり全く異なる目的を持っています。
本来はラベリングは褒められたことでは無いとは思いますが、実際に遊んだことが無い人向けに、大別するとどんなタイプの人が居るかを簡単に説明したいと思います。
雑談する人たち
VRChatはチャットアプリなので、見方によっては全員がこれに当てはまるのですが、わかりやすく言葉を当てはめてみました。言い換えるなら、最も平均的で全体の中で多数を占めるスタイルです。
彼らはアバターワールド*1で借りてきたアバターを着て、パブリックインスタンスの集会所や、あるいはフレンド向けに開いたプライベートインスタンスで愚痴や時事ネタ、好きな作品の話などごくごく日常的な会話をしています。
最近VRChatについてTwitterで検索すると自作アバターだとか、市販のアバターだとかが話題で、ほとんどがそうなっていると思っている方もいるかも知れませんが、いまだに大多数のプレイヤーはレンタルアバターを利用しています。
日本のプレイヤーの間では著作権に関する意識が高い傾向があるため、自作をしている人は少なくありませんが、海外のプレイヤーに目を移してみると、ほとんどがレンタルアバターを利用しています。
メニューから自由に呼び出せるアバターはデフォルトでも数十種類と豊富に用意されているのですが、それはバタ臭いというか、レンダリングの設定がキツいというか、平たく言って可愛くないので、あまり使われていません。
自作をする自信が無かったり、その類いのクリエイティブに興味が無い方も、レンタルアバターを利用するという方法があります。この場合は数十種類どころではなく、もはや無数に様々なタイプのアバターが公開されているので、その中から好みのアバターを見つけることは難しくありません。
桜広場の風景。ここは韓国のユーザーが多く、ほとんどがレンタルアバターですが、皆個性的な外見をしています。
自作アバターで遊ぶひとたち
彼らは自分だけのアバターを日々開発、手直しをして、フレンドに披露したり、自作アバター同志で開発に有用な情報を交換しあったりしています。
VRChatにおいて自作アバターの開発はそれをやったことが無い人にとって意外なほど敷居が低く、誰でも簡単にできるようになっています。
ただ、それはキューブ状ののっぺりとしたアバターをアップロードするだけならの話です。先述の通り、その類いのクリエイティブに興味がない人にはただの苦痛でしょう。
私のアバターは自作で、この通り低クオリティですが開発まで徹夜しつづけても2週間の時間が必要でした。
しかしうちの子かわいいな
自分の作品を公開することに興味が無い人はスルーした方がいいです。苦痛が大きすぎます。
ただ逆に、自分の発想を形にすることに興味がある人には大変魅力的な要素です。VRChatのアバターは自由すぎるほどに様々な要素や機能を実装することができ、創造性を発揮する恰好の題材になると思います。
自作アバターのタイプは様々で、フリーで配布されているモデルデータ*2の改変*3から、フルスクラッチ*4、本来的にはスクリプトの記述ができないので表現できないハズのものをシェーダー*5のコードを工夫することで実現するハッキングを施したアバターなど様々です。(これを利用するときはクラッキングと揶揄されないよう細心の注意が必要かも知れません)
市販アバターで遊ぶひとたち(あるいはオーダーメイドアバター)
最近はVRChat向けにカスタマイズ済みで後はアップロードするだけの段階まで作ってあるアバターがいくつが市販されています。
こちらの魅力はなんと言ってもその筋の熟練者が開発したアバターゆえにハイクオリティなことにあります。
自作とオーバーラップしますが、これらのアバターのテクスチャを少し変更したり、独自のアイテムを持たせるなどしてカスタマイズしている人も少なくありません。
市販モデルのアヌビスちゃん。アークトラスちゃんを下してメロンブックスのランキング一位に躍り出た。手前のアバターは髪色をカスタマイズしている。
まだ数は少ないものの、オーダーメイドアバターというのも存在している。まさにその名の通り、自分だけのアバターをその筋の人に作ってもらうのだ。手足の長さまでピッタリに設定してもらえばフルトラッキングのキレもばっちりで大変ハイクオリティ。
荒らしするひとたち
(この画像は関係ありません。良識を持ったウガンダナックルズです。かわいい)
このゲームにおいて荒らしの手法としては、マイクで騒音をまき散らしながらワールドを駆け回るなどの微笑ましいものから、クラッキングしてワールド全体やユーザーそれぞれのクライアントをクラッシュさせたり、他人の保持しているデータを不法な手順で抜き出したり上書きしたりといった悪質な物まで様々あります。
ただ、現状としてそのような荒らし行為、特に悪質な物はなりを潜めています。実際私はほとんどの時間をパブリックインスタンスで過ごしますが、クラッキングを受けたことは一度もありません。(そんなことは無いぞという意見があった場合考えられるのは、私が行ったことのない特定のワールド、あるいはプライベートインスタンスが標的になっている可能性です)
これは今年の春に導入されたトラストシステムが功を奏していると思われます。これはユーザーごとに信頼できる度合いを内部的に評価するしくみで、採点基準は公表されていませんが、この点数が低い場合はアバターやワールドのアップロードに制限がかかり、最終的にはアカウントBANになります。フレンドの数やプレイ時間、キック投票やブロックされた回数などが加味されていると推測されています。
これによって悪質なユーザーはそのほとんどがBANされているというのが現状ではないでしょうか。
一方で騒音をまき散らしながらワールドを駆け回るような微笑ましい物に関しては、特定のユーザー指定のミュート機能とブロック機能(アバターの描画自体されなくなる)を利用すれば簡単に対処可能です。それでも不都合がある場合は手間ですがキック投票(ユーザー過半数の支持で可決?)という方法もあります。
荒らしまでは行かなくてもハラスメント等の攻撃的発言をしてくるユーザーなどもすっぱりブロックしてしまえば快適ですね。
欄外:著作権に抵触している?アバター
プレイスタイルの説明は終わりですが、アバターについて説明した関係で少し補足です。
上のリンクはVRChatの日本Wikiに書いてある規約のようなものですが、これは特定の個人が公式規約を拡大解釈して発展させたものであることに注意しなければなりません。これは架空の規約です。
リンク先にも小さくリンクがありますが、公式の規約は以下のものになります。
ただし、日本Wikiにある架空の規約も大変有益で、これは既に起こっている著作権関係の紛争を踏まえてまとめられたガードレールのようなものなので、これを守っていれば面倒ごとに巻き込まれるリスクを最小限にとどめられます。
さて、何が言いたいかと言いますと、
著作権侵害関係の問題、違法適法のラインには悪意の有無が重要
と言う点です。
日本においては「違法に公開された音楽や映画とわかっていながら、ダウンロードする行為」が実刑の対象となりましたが、ここでも悪意の有り無しは重要なポイントとなっています。
つまり著作物全般に置き換えても、著作権の侵害に当たる行為でも、当人がその事実を知らない限りは違法に当たらないのです。
ですので、著作権侵害の取り締まりの手順は著作権侵害についての勧告をしてから、無視した場合に摘発となります。
世の中にあるもの一見して著作権の侵害の有無などわかりませんから、これは当然のしくみなんです。
ですので、VRChatで著作権の侵害に当たりそうな行為を目撃しても、攻撃的になったりしないでください。その時点で彼らは法を犯していない可能性がとても高いので、あなたの攻撃に正当性は全くありません。
これは全く社会一般的な常識ですが、仮に相手が悪いことをしているとしても、少なくとも私たちは冷静に対処する必要があります。(私刑はあらゆる法治国家で違法とされている行為です)
VRChat内で口論するなど不毛でしょう。あなたが相手を不当だと感じるのと同様に、相手もあなたを不当だと感じているはずです。通報してVRChat運営に判断を委ねるのが最適な行動です。
以上の事実により、あなたがレンタルアバターや二次創作のアバターを利用する場合、著作権を気にして必要以上におびえることはありません。指摘された時点で該当アバターの利用を停止すれば完全に潔白でいることができます。指摘の際に必要以上に無礼なユーザーはブロックしてしまいましょう。(ただし該当アバターは利用停止を検討すべきです)
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