Boothで3Dモデルを売ってみた【VRChatトレンド情報】
3Dモデル販売めっちゃ流行ってるけどどうなんだろ?
最近VRChatに関連して、3Dモデルの販売事例が急速に増加しています。
そのカウンターとして、「規約がガバガバ」だとか、「クリエイティブコモンズに関する認識」などをつつくような言説も飛び交っており、傍から見ていると「うーん、結局どうなの?」という戸惑いを感じるかも知れません。
私もこのような分野に関しては全く門外漢なので、正直分からないことがほとんどというのが正直な感想です。
そこで、試しに3Dモデルを売ってみることにしました。
本記事では、実際に3Dモデルを販売するまでの流れを通して分かったことを紹介していきます。
販売用のモデルデータを用意する
モデルを自作する人からすればとても意外なことかも知れませんが、ワンポイントのアクセサリーのようなごく簡素なモデルデータでも、「お金出してでも良いからそれそのまま欲しい」という人がいます。
それが円筒少しいじっただけのタバコのモデルデータでもです。
創作に興味が無い人からすれば、そんな大したことない3Dモデルだからこそ、そのためだけにモデリングソフトの使用方法を学ぶなどのコストを支払いたくないというのが心情かもしれません。
まあ実際に売れるのかは分かりませんが、題材としてはこれでいいでしょう。
円筒をグニャグニャっとしてテクスチャを描いただけのタバコの3Dモデル。自分のアバターに利用する際はラッキーストライクのロゴを印字して使っていたが、商品化に際して一応削除した。
今回はこれを品物として出品することにします。
販売用データのディレクトリ構成はこんな感じ
VRChatのアバターに利用するときと同じように、fbxファイルとテクスチャファイルを用意。普段と違うのは、少しでも導入しやすいようunityパッケージファイルを作った所です。インポートの手間はさほど変わらないですが、こちらでシェーダーの設定とか指定できるので、ユーザーに多少なりともラクをさせることができます。
Blenderファイルを同梱するか迷ったのですが、フレンドのアドバイスでやめました。
同梱するファイルの種類が増えれば増えるほど、こちらからサポートしないとならない可能性/リスクが増大することになるので、不要なリスクは取るべきではないというわけです。
やたらつつかれ揶揄されてる利用規約について
さて上の画像にあるとおり、readme.txtに利用規約とか書いとかないとなりません。
「ハードディスクを占有するだけのゴミを売ることになる」だとかやたら不安を煽る言説はありますが、実際の所、利用規約、というか著作権についての記述は自由に書いて良いと思います。自身の著作物は自身が自由にしてよいというのが著作権の原則なので、あなたが想定している利用のされ方や、されたら嫌なことを羅列すればOKです。
わかりやすく平たい文章で書く必要はありますが、こう書いてはならないなんてことは著作者でない外野が決めて良いことではありません。
著作物の利用には著作者の意思を尊重しなくてはならないというのが著作権法なので、ユーザー(ここではあなたの3Dモデルを購入した人)が著作権法に則って行動するための指標として、著作者の意向を詳細に伝える必要があるというだけです。
極端な話、「VRChatへのアップロードは良いけどニコ動のMMD動画にすることだけは許さん」みたいなことでも問題ないわけです。
しかし私は特にこの3Dモデルに特別な思い入れはありませんし、限りなく自由に使っていただきたいので、自由にやっていいよと書いておくことにします。*1
あとはお決まりですが、「本モデルを利用したことによって生じるいかなる損害に対して当方は一切責任を負いません」は書いておきますか。予防線ですね。
どこで売るか?
販売用データはできたので、これをどこで売るかという問題です。通販用サイトを比較しようかと思ったのですが、Pixivが運営するBoothの条件を見て、比較検証する気が失せました。
好条件過ぎます。
いやいや世の中そんなおいしい話があるはずないと、「実質」固定費無料みたいな話であるはずだと確認してみましたが、特に問題は無し。
通販サイトで販売経験があったので、このロイヤリティと固定費無料というのはカルチャーショックを受けてしまいました。
というわけで、販売サイトはBoothで決定です。
Booth開店作業
どこまで不安を煽ってくるのか。
知ってる、こうやってお手軽感を全面に打ち出して迷える子羊みたいな人々をつぎつぎ絡め取っていくつもりでしょう。こわいです。
しかしまあ、そういうのを含めての検証として実際に売ってみようという記事なので、
一応規約にはよく目を通した上で開店作業に入ります。
終わりました。10分かからないじゃないですか。
通販サイトで仮アカウント作るくらいの入力項目だけで、仮出店状態になってしまいました。公開ボタンを押すだけで出店できる状態です。審査とかないんですね。
この状態だと振込先金融機関などは未入力なので、そこを入力しておきます。
送料設定はデータ販売なので特にいじりませんでした。
オーナー情報で個人情報を入力する必要がありますが、基本的にはこのオーナー情報は一般開示されない設定です。トラブルが発生した際に、ユーザーから問い合わせで開示請求があった場合に自身で対応する必要があるだけです。
特定商取引法に基づく表記のページのデフォルト設定。特に編集の必要は感じなかった
公式FAQにも記述がありましたが、現状売上0円なので、私はまだ販売事業者ではないという扱いになります。月100万以上、年1000万以上売り上げた場合にはサイト上に名前を記載しないとならないというわけですね。100万円もらえるなら名前くらい公開しますよ私は。
これが嫌だという場合は、売上が規定額に達してしまう前に出店を停止する作業が必要になりますね。
商品ページの作成
商品画像は多いに越したことはないので、参考になりそうな物をポイポイと放り込んでみました。
販売用説明文は段落という形で区切りをつけて項目の追加ができるので、readmeに記載した文章を追加しておきました。
買う前に規約の全文を示して、合意の上での売り買いの方がよりフェアかな?と思ったからです。しかし内容的には何やってもイイヨという文章なので、読む価値はあまりありません。
さて残るは価格設定で終わりです。
一箱460円のタバコですから、一本あたり23円ってことになりますね。
あっ・・・。
仕方ないので最低金額の100円に指定しました。
もはや商品タイトルが原形とどめていない・・・。
でも一応ラッキーストライクがモデルですよという婉曲表現だから!そういうことにしておきましょう。
これにて出店、出品処理が完了しました。1時間くらいで終わってしまいました。記事に使う素材の撮影がなければもっと早かったと思います。
このあとどうなるか
と言うわけで今回実際に3Dモデル販売までの流れを実演という形でさらってみたのですが、問題はこの後ですね。私も実物がないデータの販売は初めてなので、どのような客層を相手にすることになるのか、どのようなサポートを要求されたりするのか、等は未知の部分です。
これからこの一箱2000円のやたら高いタバコが売れることがあるかは謎ですが、何か面白いことが分かったら、また新しく記事を書こうと思います。
景気づけに一本買ってみようという奇特な方がいらっしゃいましたら、ぜひよろしくお願いします。
*1:販売ページに規約文は載せておいたのでそちらを参照してください。参考にして転用してもOKです